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本当のお金の話③ デフレーションにより20万人が余計に死んだ

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 前回はインフレーションの話をしましたが、今回はデフレーションの話です。


みんなが良かれと思ってやっている「貯蓄」
一人ひとりにとっての行動は正しくても、時に全体を見渡すと間違った結果を引き起こすことがあります。
これを「合成の誤謬(ごびゅう)」といいます。

 

目次

 

貯蓄がデフレーションを生む

 

「貯蓄」は、良い行いであるイメージがありますが、経済全体としては「悪」かもしれません。
なぜなら誰かが「貯蓄」した分だけ、100%必ず誰かの「所得」が減ります。
もし誰もが1円も使用しなければ、全員の収入が0円になります。
「節約」も意味は同じです。

さて、ここから恐ろしいことが起こります。

 

誰かがある時、100万円「節約」したとします。
消費者が「節約」した分だけ、生産者の企業の「売上」は必ず100万円減少します。

企業Aは、売れにくくなった商品をなんとか売るために「値下げ」を行います。
すると企業Bは、ますます売れにくくなるので対抗して「さらなる値下げ」を行います。
値下げ競争により店頭価格はどんどん下がっていきます。
そうすると一見、消費者側はラッキーと思うかもしれません。
でも実はその消費者は、企業A企業Bで働いていて、そこから給料をもらっています。
つい忘れがちですが消費者生産者は同一人物なのです。


企業の業績が振るわないと給料は下がります。最悪失業です。
すると稼ぎが少なくなった消費者はますます財布のヒモを固くします。
するとますます企業の売上が低迷し、値下げをし、給料が下がり…

以下無限ループ。

 

これが日本を20年以上苦しめているデフレーション(デフレ)の正体です。
上の無限ループのことをデフレスパイラルといいます。

 

じゃあ「貯蓄」じゃなくて、企業に「株式投資」、あるいは銀行が企業に「融資」すれば、その企業が別のことにお金使ってくれるからいいじゃん。
と思うかもしれません。だけどそう簡単な話ではありません。

売上が低迷する環境では企業は「設備投資」をしなくなってしまいます。
売れないのに、これ以上モノを作ってどうするんですか?という話です。

 

基本的に資本投資をせずに企業が「成長」することは出来ません。
なので企業価値も向上しません。
日経平均が未だに22年前の株価を更新出来ず、魅力が低い状態なのもこのことが大きな原因です。

 

・将来不安等でお金をみんなが貯蓄しだすとデフレになる。

・デフレがデフレをさらに深刻化させる

・企業も設備投資出来なくなる。(企業も成長しようがない)

 

とにかくお金を使う人も、お金を借りる人も減ります。
そうなるとどうなるか。
商品は売れなくなりますし、お金の数量も増えません。
(お金は貸し借りの記録ということを思い出してください)
みんなはむしろ借金の返済に必死になりますからお金の数量が減っていきます。

 

前回は、インフレによりお金の価値が目減りするといいました。
デフレでは真逆の事が起こります。お金の価値がどんどん上がっていくのです。

 

そうなるとますますみんなお金が欲しくなります。
借金も嫌なので返済したくなります。
そうなると収入が減り、お金が数量が減り、お金の価値が上がり、ますますデフレが進行します。
これがデフレスパイラルの恐ろしいところです。

 

日本人(といっても現役世代)がとにかくお金を欲する気持ちが強いのも、借金は悪だとする思想なのも、無理はありません。
デフレが20年以上も続いている中で、深層心理までそれが植え付けられてきたからです。

 

・インフレとは逆で、デフレはお金の価値が上がる。

・みんなお金大好きになる。

 

 

で、デフレだと何が駄目なの?

 

デフレが続くとどうなるか。

人がたくさん死にます。

 

実際に、経済苦を理由に自殺する人はこの20年で「余計」約20万人増えたといわれています。

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公益財団法人中部圏社会経済研究所

また、経済苦を理由に婚姻率も減っています。これが少子化の原因です。
つまり生まれるはずだった多くの生命も奪われたとも考えられます。

 

そして、国全体が経済成長も出来ません。
(経済成長出来ないC島を思い出してください)

 

C島では、まぁそんな生き方もあるよね、で済むかもしれませんが現実の世界ではそうもいきません。
周りの国々がどんどん経済成長していく中で、相対的に日本がどんどん衰退いくからです。
経済的に衰退するということは、最も重要な「生産力」供給能力)が減っていくということです。
これは食料、軍事、外交等の安全保障においても他国と比べ完全に不利になります。
我々がどれだけ平和を願っていたとしても、相手が喧嘩をしかけてきたらナヨナヨの体では守れるものも守れなくなってしまいます。


最悪の場合、徐々に国家が侵食され、表立ってはわからない形で真実を曲げられ、報道や権利の自由が侵害され、国民同士がいがみ合い、先祖への恩も忘れて子供達の未来も捨てて、最後には誇りも失う。

(別にいいんじゃんという価値観が存在しても構いませんが…私はイヤです。)

 

・デフレで人がたくさん死ぬ

・国家が衰退し子供達の未来が奪われる

 

 デフレの原因は「勘違い」


「商品貨幣論」に支配された世界だとどうなるでしょうか。
物々交換の世界。「商品」だけの世界です。
これはつまり「通貨」が無い世界ですから経済が発展出来ません(しにくい)。

 

「お金」についてよく理解されていなかったこの200~300年(今も大して理解されていませんが)、実際に世界では「商品貨幣論」で運用されていた時期も長かったです。
例えば金本位制です。みんな言葉くらいは覚えているかもしれません。

「お金」ってなんなの?一体何が「お金」の価値を保証するの?


と聞かれた時、「信用貨幣論」では借り手側の返済能力(生産能力)と答えることが出来ます。
しかし「商品貨幣論」では貨幣そのものに同じだけの価値があるか(金貨とか)、あるいはGOLDとの交換保証権利」をもって「お金」の価値を保証していました。

 

「商品」に依存している以上、その「お金とやら」は必ず有限です。
本質的にはC島の物々交換の世界とそう変わりません。
つまりいつかは絶対にお金の数量が足りなくなります。
従って、絶対にデフレが訪れます。


金本位制によって実際に訪れた大不況、これが「世界恐慌(1929)です。

 

ですので、もし仮想通貨(商品)が通貨(お金)となってしまったら、このような「デフレの爆弾」を根本的に抱えていくことになります。
現代は金本位制も廃止され、なんだかよくわからないが、不換紙幣(つまり信用貨幣論的なもの)でいこうぜ!ということでうまくいっている状態です。
もう二度と「商品」通貨になることは無いでしょう。

 

・日本だけめちゃくちゃずっとデフレ

・お金のことを理解していないのでデフレから脱却できない

・歴史的にもそんなことはよくあった

 

 デフレの解決策は、通貨の価値を下げることだが…

 

解決策は本来シンプルです。


お金の価値を減らしていくことです。つまり経済成長を伴うインフレをさせること。
現代の「信用貨幣論」に基づく通貨であればに発行出来るわけですから、インフレを起こすパワーはあるわけです。

 

デフレは貨幣現象です!なんて意見もアベノミクス当初はありました。(今も?)
その発想自体は間違いではありません。
お金の量を増やしていけば、お金の価値が下がるはずです。

 

ということで、日銀の黒田総裁の元でめちゃくちゃお金を発行しました。
(量的緩和:実際には市中国債を日銀が買いとるだけ)


その結果どうなったか。
全くデフレから脱却出来ておりません。
金利は世界最低レベルに低迷したままです。
金融資産の価格だけは割と上がりましたが…。

ちょっと話が違うのではないか?と思われるかもしれません。
そんなことはありません。
やっぱり「お金」のことをよくわかっていなかったからです。

 

例えば、大火事が発生したので、火を消すために放水を浴びせることは有効です。
だけど全く関係ない方向に放水したって火は消えません。
日銀の中だけにいくらお金を積み上げても、世の中に流通しなければ意味ないでしょという話です。

しかしこの話は単純でわかりやすいですが、本質は捉えにくいですね。
次のような例え話で考えてみます。


栄養失調でやせ細っているA君(大不況)がいたとして、このA君を太らせる(経済成長させる)プロジェクトを達成しなければなりません。
だけど困ったことにA君は全く食欲がありません。

実は、量的緩和で日銀がお金をじゃぶじゃぶに発行する行為は、A君にブカブカのズボンを与えるようなものです。
こんなことでA君は太ることは出来ません。
ましてや大量に美味しい料理を運んでもさほど意味はないわけです。

 

ブカブカなズボンを与える行為が、金融緩和政策であり
美味しい料理を作ることが、構造改革であり
大量に料理を運ぶことが、規制緩和・自由貿易です。
なぜA君が太れないのか、日本が経済成長出来ないのか、なんとなくわかるでしょうか?

 

A君を太らせる為に最重要なことは、A君の食欲を回復させることです。

 

食欲とは「需要」のことです。
需要が無ければ、何をしたって無駄です。
現在の経済学はA君の食欲を軽視し、料理の価格、美味しさ、提供量で解決出来ると思っているからいつまで経っても太らせることが出来ない。

そしてもしA君が太った(経済成長)のなら、自然と大きなズボン(お金の増加)に履き替えていきます。
太ったから大きなズボンを履くのであって、決して大きなズボンを渡されたから太るわけではないのです。

 

因果関係の勘違い

 

金融緩和により経済成長出来ないのはその為です。

(ケインズが流動性の罠としてずっと昔から指摘しています)

 

ついでに因果の勘違いとしてよくあるのは、これです。

「人口が減るから経済成長出来ない」

これもおかしな話です。
人口が減ったから経済成長出来ないのではなくて、経済成長しないから出生率が減っているのです。

 

確かに人口とGDPの規模には相関係数はあると思います。
ただし人口が減っていても経済成長している国はいくらでもあります。
中国は人口が10%ほど増える間にGDPが10倍になりましたがどう説明するのでしょう。


別に多少人口が減っても経済成長は可能ですし、経済成長すれば人口も大して下がりません。

 

・デフレ対策に金融緩和しても効果はなかった

・因果関係を取り違えているから

 

 これを解決するのが真の通貨のパワー

 

お金の価値がどんどん上がる現象。これがデフレです。
でも日本ほど長くデフレに苦しんでいる国はそうはありません。

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引用:㈱小川製作所

ここまでデフレを長引かせる要因は何でしょうか。
なぜいつまでたってもA君を太らせることが出来ないのでしょうか。

しかしA君の食欲を増進させることは可能です。

みんなが合理的な行動によりお金を溜め込んでデフレスパイラルを起こしている時、お金を大量に使うことの出来る存在は一つしかありません。

 

政府による財政出動です。

 

いや財源が無いから無理だと多くの人は思うはずです。

でも、本当の「お金」はただの「記録」です。返済能力すなわち供給能力の許す限りいくらでも発行することが出来るのです。
その認識が浸透しない内は、いつまで経っても経済成長なんて無理です。
増税などしようものなら完全に逆行します。

外国はこの辺りの議論は進んでおり、徐々に転換し始めてきています。
日本はいつだって周回遅れです。

 

・デフレ脱却に必要なのは政府の財政出動(減税でもOK)

・財源は問題ない

 

じゃあ、そもそも「税金」なんて要らないんじゃないか?
「無税国家」が出来るじゃないか!ふざけるな!
と思った貴方には「税金」の本当の役割をお伝えしたいと思います。

 

続く