資産形成をする上で「家」の買い物は重要事項です。
人生の住居についてお得にするにはどうすればよいのかを整理しておきたいと思います。
なお、1人暮らしなのか子供を持つ家庭なのかでも結論が変わってきますので私のような子持ち家庭のパターンで考えていきます。
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目次
購入か賃貸か単純比較
まず最初に家を購入するか、賃貸でいくか、の選択があると思います。
結論からいうと「購入」が望ましいです。
理由は単純です。
なぜなら、「不動産賃貸」で不労収益を得ている人がいるからです。
つまり、それが賃貸よりも購入することに投資妙味があるということの証明になっています。
もちろん賃貸やレンタルの方が得をする場合もあります。
例えば、ウエディングドレスなどはどうでしょうか。
レンタル費用で30万円ほど掛かりますが、購入すると100万円ほど掛かるとします。
たった3回ほど着る機会があれば、元が取れる計算になります。これはレンタル費用としては相当に割りが悪い商品になります。
しかし、普通何回も着ることはないはず(少なくともその時はそう思っているはず)ですので、合理的にレンタルを選択する人が多いわけです。
「家」に関しても、トータルコストを算出して意思決定をしていきます。
■ケース1 3LDKを賃貸する場合の生涯コスト
子(仮に2人として)を持つ家庭の場合、やはり3LDK程度の空間が必要になります。
例えば首都圏に1時間以内で通えるような駅近の物件であればおおよそ15万円/月程度の家賃が必要になります。
子供が全員巣立つまでを30年として、30年後は1LDK(家賃8万円)に住み替えるとします。
30歳~60歳 15万円×12か月×30年 = 5,400万円
60歳~90歳 8万円×12か月×30年 = 2,880万円
合計で、約8,300万円
■ケース2 3LDKを単純に購入する場合の生涯コスト
30歳から90歳まで住み続ける。
購入 3,500万円 (首都圏3LDKマンション相場)
ローン 1000万円 (金利2% 35年でざっくり計算)
固定資産税 700万円
修繕費等 1000万円
合計で、約6,200万円
こんなざっくりした計算ですが、購入した方が2000万円くらいはお得なのではないでしょうか。
もちろん購入した場合、お金以外のデメリットがあります。
1.転勤した場合などの対応が面倒くさい
2.住宅設備が陳腐化していく
3.飽きる
4.引っ越しにくい
5.資産価値が目減りする
6.経年劣化する
ただし上の計算では資産価値は0になることを前提としていますので5.6.は無視しても構いません。
実際は戸建てでもマンションでも「土地分」の資産は残りますから0になることはありません。
マンションの場合は、戸建てと比べて修繕費は安くなりますが、代わりに共益費がかかりますので結局似たようなものですね。
上記のデメリットと2000万円の価値を見比べてどちらがいいかを判断します。
(時間価値を無視していますが、もし考慮するなら購入がさらに有利になります)
どうでしょうか?悩むところでしょうか?
人によって分かれるところもかもしれません。
夢のマイホームのような注文住宅だとトータル1000~2000万円は高くなりますので、本当に悩むところですよね。
計算していませんが、単身者の場合だと賃貸の額と引っ越しの手間が激減しますので「賃貸」がいいという結論になるかもしれません。
お金持ちの単身者なら間違いなく「賃貸」でしょうね。
ていうか事務所の経費にしちゃうでしょう。(税金対策的に)
購入を工夫した場合の生涯コストは一気に激減
単純比較した場合は、ちょっと迷いましたよね。
では次の場合ではどうでしょうか。
■ケース3 3LDKを資産運用的に購入する場合の生涯コスト
購入 2,800万円 (首都圏3LDKマンション中古相場)
ローン 0万円
固定資産税 700万円
修繕費等 1000万円
貸借料 △3,000万円
合計で、約1,500万円
激的にコストが下がりました。なぜでしょうか?
それぞれ中身を見ていきます。
◎購入費用 3500万円→2800万円
新築住宅は、ハウスメーカーや工務店の「付加価値」ががっつり上乗せされていますので、当然割高です。
3500万円の家の内1000万円はいわば「おひねり」の様なものですので、購入した瞬間に資産価値は2500万円(中古物件)に下がります。
また消費税も馬鹿になりません。3500万円の家なら350万円です。
中古物件ならその点、「付加価値」が掛からない時価で購入できます。
「付加価値」がないからこそ「消費税」も掛かりません。
その代わりに仲介手数料が3% 100万円程度が掛かります。
要は、築年数の浅い中古物件(ほぼ新築物件)はおススメです。
ということで控えめにみて700万円程度の差としておきましょう。
◎ローン 1000万円→0万円
銀行のローンを組まなければ金利は当然0円です。
でも、もちろん一括購入する資金がないですよね。わかります。
なので住宅ローンを組みましょう!住宅ローンは組んだ方がかなりお得です。
このメリットをうまくつかえば、利息を実質0に出来るどころかむしろ恩恵を得ることが出来ます。
◎賃貸料 0万円→+3000万円(収入
持ち家の最大の利点は自身の不動産資産になることです。
自分が住んだ後は、売却するも自由、賃借するも自由です。
売却の場合は資産価値の下落もあるので、できるだけ価値が落ちにくい物件が望ましいです。
結果的に「マンション」「駅近」「利便性」がある物件が堅いです。
緊急のキャッシュに困らなければ貸借するのも魅力的です。
何もしなくても10万円/月以上の収入を得ることが出来ます。
この場合も、借り手が出やすいような物件(上と同じ)を意識することは重要です。
この資産面の効果を考慮すると一気に生涯住宅コストが下がります。
私の場合は、7~8年前に都市開発中の駅から30秒のマンションを購入していますので、当時購入した金額よりも現在の方が価格はむしろ高騰しています。
購入費用とローンについて
なにせ最初は住宅購入資金がありませんよね。
というわけでまず2馬力でがっつり働きましょう(笑)
3年ほど新婚生活を楽しく過ごせば、1500万円程度は貯められるのではないでしょうか。
1300万円を頭金にして1500万円を借り入れれば、2800万円の家は普通に購入できます。
何をするにもまずは貯蓄から始まりますね。
それから購入を検討します。
私も購入当時は3000万円のキャッシュは持ち合わせていませんでした。
だからローンを組みました。とはいえ借りた1500万円には利息が掛かります。
ところが変動金利+住宅ローン控除の合わせ技で実質負担を0に出来ます。
デフレで最悪な世の中ですが、金利が安いのだけは救いです。
短期借入なら現状は変動金利一択です。
変動金利なら1%を下回ります。(0.5~1.0%程度?)
住宅ローン控除は1%分の税金が返ってきます。
つまり支払う利息よりも返ってくるお金の方多い、という状態も実現可能です。
ただし、住宅ローン控除は以下の点に留意する必要があります。
ローンについて年収が500万円程度のケースで考えます。
その場合、支払う所得税は15万円くらいです。
また住宅ローン控除は10年(期間限定で13年もある)なので、もちろん10年で返済がマストになります。
ざっくりシミュレーションをしていきます。
仮に借入金1500万円を10年ローンを組んだとします。
(金利も仮に1%とする)
支払った利息分は丸々返ってきますのでGoodです。
ただし月々の返済金額は13万円強くらいになりますのでちょっと負担かもしれません。
また後半の年度にいくにつれ借金残高が減っていくので還付金の額も減少しています。
次に2000万円を借りて、10年返済した場合です。
支払った税金以上には返ってこないという問題から、還付金よりも利息額の方が多くなってしまいます。
また月々の返済金額は、18万円弱くらいになるのでかなり厳しくなりますね。
これは無いでしょう。
次に、月々の返済負担額を減らすべく、15年ローンとします。
ただし10年後には完済しないといけないので11年目に残額を一括返済するということになります。
これも利息額が満額返ってきますのでGoodです。
月々の返済額は9万円程度なので現実的です。3LDKの賃貸(約15万円)より全然安いですね。(頭金を入れているので当然ですが)
一応、借入金2000万円、15年ローンのパターンも。
月々の返済額は12万円程度なのでまずますです。
やはり利息は、還付金をオーバーしてしまいますね。
少しでも早く家を買いたい人にはいいかもしれません。
ただし10年後の繰り上げ一括返済額が1100万円なのでちょっと重いです。
ということで、私の場合はパターン3です。
月々の返済額も低く、10年後に一括返済する額も少ないので負担が軽いのでオススメです。
もっと細かくシミュレーションしてもいいと思いますが、かなり細かい複利計算になるし、実際は年収も増えて税金も変わるので複雑です。
頭の中やその場で計算できる概算でいいと思います。
私も適当にざっくりな感じでローンを組んでいます。
ちなみに繰り上げ一括返済をすると多少の違約金(数万円)が取られます。
それは仕方ないですね。
最後に
効率的な買い物をすることは悪いことでは有りません。
ですが、人生の目的は別に「お金を残す」ことではないはずです。
きっと出来るだけ「幸せに暮らすこと」だと思います。
どんな「家」に住むのかは、「幸せ」と大きく関わっているかもしれません。
「夢のマイホーム」といった、家の販促キャンペーンのキャッチコピーもありましたが、あながち嘘ではなさそうです。
私達も子供達とそんな素敵な家に暮らしてみたいものです。
ですのでここまでの準備段階を得て、3LDKマンションのローンを40歳くらいで完済した後は、この家を貸借に出して新しい家を購入したいと考えています。
うまくいけば毎月の貸借収入の範疇で無理せず新しいマイホームを買えるかもしれません。
生まれたての第一子と家族3人で、初めて購入したばかりの今の自宅で食卓を囲んだ日のことを覚えています。
激安ボロボロの1Kアパートから社会人生活を初めた日々を思いながら、ようやくここまで来たのだと、とても感動した瞬間でした。
今度は、家族5人で新しい大きな家で食卓を囲む日を思い描いています。
まだまだ夢の途中です。