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本当のお金の話② 経済成長により目減りするお金

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引き続き知識としてのお金(通貨)の話【真】になります。

投資で儲ける!みたいな話から少しはずれて面白くないかもしれませんが、経済とお金のことが知りたい人は是非読んでみてくださいね。

 

目次

 

インフレーションを起こすことが出来る通貨

 

「通貨」はやはり特別な存在です。
無から有を生み出せるという特性により、加速度的にインフレーション(インフレ)を起こすことが出来ます。

 

簡単にいえば、「経済成長」です。
経済成長するということは、みんなの所得が増えることを示します。
なので貧困が減り、誰もが住みよい暮らしを手に入れることが出来ます。
そんな世の中を築くことが出来ます。これはいいことです。

 

確かに急速な経済発展により、環境問題、食料問題、エネルギー問題など心配な面もあります。
また所得格差の拡大によって、貧困な国の人達の食事よりも食用豚の飼料の方が優先されているという悲しい現実もあります。

昔の方が良かったという意見もあっても良いと思いますが、とはいえそれでも経済成長によって病気、差別、餓死などは相対的に減っていきます。

 

「通貨」つまり「貸し借りの記録化」の発展により、経済はものすごい速さで発展しました。
この仕組みを身近な簡単な例で考えるとクレジットカードでしょうか。
手持ちのお金がなくても今すぐに欲しいものが買える仕組み。
これの最強Ver.が、ドル$、円¥、ユーロ€なわけです。

 

どれくらい通貨がインフレしているかというと、ここ150年位の間に何千万倍かに膨らんでいます。
何千倍ではありません。何千万倍です。


つまり100円が 50億円 とかです。


実質所得や名目所得の話はおいておきますが、とにかく「通貨」にはこういう特性があります。

 

・通貨はインフレを加速させる

・インフレとは経済成長である

・経済成長は貧困を減らす

 

 

しかし短期間で急激にインフレすることは好ましくありません。
前にもいったように、通貨の発行はお金の借り手の返済能力つまり信用力以内に収まっている必要があります。
そうでないと信用オーバー、債務不履行、ハイパーインフレーションなど経済的によくないことが起こります。
悪性インフレによる国家の財政破綻ですね。

お金の借り手の信用力とは、稼ぐ力のことであり、もっと本質的には「商品を供給する力」のことです。
つまり経済成長とは本質的には「通貨」が増えることではなく、「商品を供給する力の向上」のことです。

 

例えば、無人島で考えれば感覚的にわかりやすいです。

 

A島は、みんなが必死に魚を獲ったり、家を作ったり、畑を耕したり、頑張っている島。
B島は、来年魚を貰える権利などの貸し借りの記録紙(つまりお金)だけが横行し、誰も商品を作ろうとせずグータラしているだけの島。

 

どちらの島が経済的に優れているかはすぐにわかるはずです。
決してお金の数量だけが経済力ではなく、みんなが頑張って生産していることが重要なんだと気付きます。

 

B島の場合は、お金の価値がどんどんなくなっていきます。
だって、そんな借用書をもっていても本当に将来魚と交換出来るかわからない状態ですから。
お金の価値が下がり、みんなが不幸な状態。これは悪性のインフレです。

 

A島の場合、生産面の信用がありますから、お金の価値も下がりにくいです。
もっと稼ぎたいと思い、さらに沢山魚を取れるように工夫すれば、さらにお金を稼げます。
そして貸し借りが活発になれば、お金の数量も増えます。
でも生産能力を増やすための投資も行っていますので、商品の供給能力も上がっていきます。
生産力とお金がイタチごっこのようにお互い増加していき、良い循環で島全体が発展いきます。
みんなが裕福になります。
これが良いインフレ、すなわち経済成長となります。

 

・急激なインフレはNG

・信用力=商品供給力(生産力)の向上が大事

・お金の増加ではなく、生産力の向上こそが経済成長

 

もしC島もあったとします。
C島は、みんな頑張って魚や畑や家を作ったりしていますが「お金」の概念が無い島です。
なのでツケ払いや先行投資といったことが出来ません。
常に現物交換でしか取引が成立しません。
多少、食料の備蓄くらいはするかもしれませんが、大量に保有したところで希少性が下がったり(資産価値が減少)、腐敗するデメリット(陳腐化)もあります。
ですので「生産能力」を向上するという意欲が沸かなくなります。
なのでC島では、ずっとずっと島が経済成長することはなく、何千年、何万年と変わらず悠久の時を過ごしていくでしょう。
(それはそれでいいという価値観もあると思います)

 

・「お金」(貸し借りの記録)がないと経済成長は難しい

・「お金」=インフレ=豊かになることは密接に繋がっている

 

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通貨がインフレすると保有しているだけで損をする

 

さて、通貨はインフレを起こすことが出来る「信用貨幣」であるからこそ経済にとって重要であることがわかりました。


しかし経済成長しインフレしていくということは、通貨の価値が下がっていくという宿命を意味します。

 

先程100円が150年で50億円になったといいましたが、その100円を150年間ずっとタンスにしまっていたとしたらどうなるでしょうか。

 

もちろん今も100円のままです。
150年前はとんでもない大金だった金額のお金が、現在はお菓子1個分の価値に目減りしています。
(古銭の価値はあると思いますが、その辺は無視で)

 

通貨のインフレとはこういうことです。
どんどんお金の価値が減っていくのです。でもこれが健常な状態です。

 

そんなわけなんで本来、通貨だけでストックしてはいけないのです。
全部使っちゃうか、何か金融資産に換金しておく必要があります。


もし150年前に当時の100円でGOLDか何かの「金融商品」に投資していたとしたら、
現在のお金の価値で再び換金することが出来ます。
これなら100円ではなく、50億円近いお金を手にすることが出来ます。


もし「株券」に投資していたらその会社が消滅しているかもしれませんが、100倍に成長しているかもしれません。
そうすればその成長分も上乗せされて5000億円のお金になります。

とはいえ、そんな将来の為にお金を金融商品に変換しておくのは一部のお金持ちくらいで、多くの人はやりません。
普通は、保険として「貯蓄」を行います。何十年も先にお金が目減りするということよりもまず今月や来月を安定的に暮らすことを考えるからです。

 

・通貨はインフレにより、価値がどんどん目減りする

・だから通貨は商品に変換しておいた方がいい

・でも多くの人はそんなに気にしない

・それよりも目先の貯蓄をしようとする

 

まとめ

 

・ 経済力とは「通貨」ではなく「生産力」のことであり、非常に大事。

「通貨」「商品」でないからこそインフレを起こすことができる。

結局、通貨も生産力も、どちらもとても大事。
そしてその代償(?)として通貨はインフレする運命にある。

 

通貨のインフレに対策するには、金融商品等に変換しておく必要がある。
通貨がインフレして一番困るのはお金持ちの人。
だからお金持ちは金融商品に投資したりするが、普通の人達は直近を生きるのに精一杯で投資というより貯蓄がメインとなる。

 

そしてこの「貯蓄」がとてつもなく恐ろしい現象を巻き起こすことになるのです。

 

続く